ビタミンCを摂ると風邪の予防になる
ビタミンの新しい効果もいろいろ研究されています。
なかでも有名なのが、ビタミンCと風邪ではないでしょうか。
これはノーベル賞を2度も受賞(化学賞と平和賞)したライナス・ポーリング博士が、1970年に出版した「ビタミンCと普通感冒」という書籍から火がついたものです。
5g、10gという大量のビタミンCを摂取していると、風邪を予防でき、また発病してから摂取しても治りが早いというものです。
しかし、その直後から賛否両論が巻き起こり、大量のビタミンCを摂取すると尿路結石になるなど、否定論もでてくるようになったのです。
臨床試験が相次いで実施され、もっと確実とされている二重盲検による無作為割付臨床試験も行なわれています。
これは摂取する方も投与する方も本当の薬か偽の薬かわからないようにして行なう試験です。
このような厳密な試験で、残念ながらビタミンCの予防効果は否定されていました。
しかしビタミンCが風邪をひいた時に良い効果があることは間違いありません。
発熱が起ると体内では大量のビタミンCが消費されるため、それを補う必要があるからです。
同じように、ビタミンB1やビタミンB2も失われてしまいます。
免疫とビタミンC、ビタミンE
免疫力を増強するビタミンとしては、ビタミンCとビタミンEが著名です。
この二つは抗酸化ビタミンですが、そのような基本的な作用とは違い、このような免疫賦活作用は栄養所要量の10倍以上の大量摂取を継続することで発現されます。
つまり、普通の所要量ではまず無理なので、一種の薬理作用といってもよいでしょう。
たとえば、細胞レベルの研究でビタミンEを多量に負荷することで、免疫に関係する様々な因子の産性が増大します。
同様のことはビタミンCでも観察され、事実ヒトに多量のビタミンCやビタミンEを与えると免疫に関係する指標が増えることが確認されています。
このことは高齢者でとくに観察され、免疫力の低下した高齢者にビタミンCやビタミンEを投与すると感染に対する抵抗力が増大します。
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