ビタミンAの効果|目、皮膚、髪の健康に必要
ビタミンAは、目、皮膚、髪の健康に必要。
感染症に対して抵抗力をつける効果や、骨を強くする効果があります。
過剰摂取は問題ですが、ビタミンAはからだに欠かせない栄養素です。
急に真っ暗な部屋に入ると、その直後は何も見えませんが、しばらくするとぼんやり見えるようになってきます。
これは、目が暗さに慣れる「暗反応」が正常に機能しているおかげ。
ビタミンAが不足すると、この暗反応がスムーズに行われず、暗くなると極端に見えなくなる「夜盲症」になりやすいといわれています。
ビタミンAには皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあり、不足状態が続くと、肌が乾燥したたり、目が乾きやすくなるともいわれています。
保湿クリームでケアをしてもよくならない乾燥肌、涙液タイプの目薬でも改善しないドライアイといった症状でお困りの方は、ビタミンAが不足していないか、食生活を見直してみることも大切です。
皮膚の乾燥はビタミンAの過剰摂取でもみられる症状なので気をつけましょう。
ビタミンAの摂り過ぎ・過剰症
しかし、世界に目を向けてみると、ビタミンAの欠乏によって、視力を失ったり、免疫力の低下から命をなくしたりする子どもたちが、まだまだたくさんいます。
ユニセフは、開発途上国の子どもたちが年1回、ビタミンAの補給を受けられるよう、活動をしています。
高用量のビタミンAカプセルを年に2カプセル摂取させるだけで、深刻なビタミンA欠乏を防ぐことができるとのことです。
用法・用量を守って
男の子の顔の白黒写真がついた、濃い黄色の缶。
昔ながらのパッケージには懐かしさを感じます。
そして、その中に入っている、甘くて小さな肝油の粒。
一度にたくさん食べてしまい、怒られた記憶がある人も多いでしょう。
「1粒だけ」「お薬ななんだから!」と言われると、なぜかなおさら欲しくなるんですよね。
その気持ち、わからないわけではありませんが、肝油は「医薬品」。
うるさいことを言うようですが、肝油は「食べる」ではなく、「のむ・服用する」。
そして、決められた用法・用量を守ることが鉄則です。
ビタミンAは脂溶性。
妊婦さんは特に注意
肝油の主成分は、ビタミンA。
水に溶けず油脂に溶けやすい「脂溶性物質」です。
水溶性の物質であれば、余分に摂っても尿の中に排泄されるのですが、脂溶性物質の場合、体内(特に肝臓)に蓄積されていきます。
そのため、短期間に大量摂取したとき、あるいは、比較的多くの量を長期間にわたって摂り続けたときなどには、「過剰症」と呼ばれる症状があらわれることもあるのです。
一度に大量のビタミンAを摂ったときにみられるのが、急性過剰症。
極地でアザラシを食べた探検家、クマの肝臓を食べた猟師などでみられることがありますが、日本でもイシナギやメヌケ、カンパチなどの肝臓を食べて過剰症を起こした例があります。
イシナギの肝臓1g中には、3万~6万μgのビタミンAが含まれますから、一口食べたくらいでも危険です。
症状は嘔吐や不眠、めまい、目のかすみ、興奮状態など。
これは急性脳水腫の症状ともいわれ、中枢神経系が影響を受けたことによるものと考えられます。
ビタミンAの大量摂取(成人では1日3000μg以上)を数ヶ月以上、続けたときにみられるのが、慢性過剰症です。 症状としてはからだのだるさ、皮膚のかゆみや乾燥などのほか、子どもでは頭蓋内の異常、成長障害などがみられることもあります。
特に注意したいのが、妊娠中の方。
1日に7800μg以上を摂ると赤ちゃんに奇形が発生する確率が高くなるとの報告もあり、「妊娠3ヶ月以内及び妊娠を希望される女性は、1日に1500μg未満の摂取とすること」といわれています。
成人の半分の量です。
なぜ妊娠前から、と思われるかもしれません。
これは、先に記したように過剰に摂るとからだに蓄積するため、摂取をやめればすぐに影響がなくなるとはいえないことと、何より妊娠初期は妊娠に気づかないことも多いことからです。
妊娠を望む方は、ビタミンAの摂取にも気を配って下さい。
鶏卵1個(55g)中のビタミンA量は77μg、うなぎの蒲焼1串(100g)には1500μg。
普通の食事で摂る分については神経質になることはなく、たまに食べる程度であれば、うなぎも悪くはありません。
ただし、体調がすぐれないなどの理由で「サプリメントでも」と思ったときは必ず医師や薬剤師に相談を(ビタミンA以外の場合にも)。
なお、冒頭で触れた肝油。
ある商品の場合、1粒は6μg(2000IU)ですから、わずか5粒で成人の上限の3000μgに達する計算です。
5粒以上は即危、4粒ならセーフということではなく、その栄養素の性質や働きを知って「用法・用量を守る」意義を理解しほしいと思います。
ビタミンAを多く含む食品
(1000IU/100g以上)
食品名 | ビタミンA含有量 |
---|---|
にわとり肝臓 | 47,000 |
豚肝臓 | 43,000 |
牛肝臓 | 40,000 |
あんこうきも | 28,000 |
やつめうなぎ(生) | 25,000 |
抹茶 | 16,000 |
養殖あゆ(はらわた、生) | 15,000 |
養殖あゆ(はらわた、焼) | 15,000 |
うなぎ(きも) | 15,000 |
あまのり(焼きのり) | 13,000 |
あおのり(素干し) | 12,000 |
ほしいわのり | 12,000 |
玉露 | 12,000 |
豚ソーセージ(レバー) | 9,300 |
豚レバーペースト | 9,000 |
ウーロン茶 | 8,300 |
せん茶 | 7,200 |
チリパウダー | 7,200 |
あゆ(うるか) | 6,700 |
ぎんだら(生) | 6,300 |
マーガリン | 6,000 |
天然あゆ(はらわた、生) | 5,700 |
うなぎ白焼き | 5,000 |
うなぎかば焼き | 5,000 |
ほたるいか(生) | 5,000 |
ほたるいか(ゆで) | 5,000 |
しそ(葉) | 4,800 |
乾燥わかめ(板わかめ) | 4,800 |
うなぎ(生) | 4,700 |
にんじん(根、水煮) | 4,600 |
にんじん(根、生) | 4,100 |
天然あゆ(はらわた、焼) | 4,000 |
ほしかわのり | 3,700 |
つるむらさき(葉、ゆで) | 3,300 |
とうがらし(葉、油いため) | 3,100 |
よめな(葉) | 3,100 |
こまつな(葉、ゆで) | 2,800 |
しゅんぎく(葉、ゆで) | 2,600 |
ふだんそう(葉、ゆで) | 2,500 |
ようさい(茎葉、ゆで) | 2,400 |
にわとり心臓 | 2,300 |
よもぎ(葉、ゆで) | 2,300 |
にら(葉、ゆで) | 2,200 |
あなご(蒸し) | 2,100 |
はも(生) | 2,000 |
ほうれん草(葉、ゆで) | 2,000 |
みずかけな(とうな、塩漬け) | 2,000 |
バター | 1,900 |
調製粉乳 | 1,900 |
だいこん(葉、ゆで) | 1,900 |
鶏卵(卵黄、生) | 1,800 |
鶏卵(卵黄、ゆで) | 1,800 |
チーズフード | 1,800 |
おかひじき(茎葉、ゆで) | 1,800 |
つるな(茎葉) | 1,800 |
糸みつば(ゆで) | 1,800 |
あなご(生) | 1,700 |
こい(はらわた、生) | 1,700 |
あしたば(葉、ゆで) | 1,700 |
なばな(花らい、ゆで) | 1,700 |
うずら卵(全卵、生) | 1,500 |
クリーム(高脂肪) | 1,500 |
たたみいわし | 1,400 |
チェダーチーズ | 1,400 |
からしな(茎葉、塩漬け) | 1,400 |
おおさかしろな(葉、塩漬け) | 1,300 |
チンゲンサイ(葉、ゆで) | 1,300 |
根みつば(ゆで) | 1,300 |
養殖あゆ(焼き) | 1,200 |
カジカつくだ煮 | 1,200 |
生うに | 1,200 |
ゴーダーチーズ | 1,200 |
ブルーチーズ | 1,200 |
プロセスチーズ | 1,200 |
とうな(葉、ゆで) | 1,200 |
のざわな(葉、塩漬け) | 1,200 |
ひろしまな(葉、塩漬け) | 1,200 |
エダムチーズ | 1,100 |
クリームチーズ | 1,100 |
あさつき(葉、ゆで) | 1,100 |
おおさかしろな(葉、ゆで) | 1,100 |
きょうな(葉、塩漬け) | 1,100 |
とうがらし(果実、生) | 1,100 |
トマト(缶詰、ペースト) | 1,100 |
めかぶこんぶ(素干し) | 1,100 |
かじか(水煮) | 1,000 |
カマンベールチーズ | 1,000 |
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