ビタミンB6の効果|血液や神経系を健康に保つ効果
ビタミンB6は、血液や神経系を健康に保つ効果があります。
ホルモンを産生したり、皮膚を健康に保つ効果もあります。
ビタミンB6は、ピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンの総称。
体内でリン酸化を受けますが、主に活性をもつのが、ピリドキサールリン酸です。
最近、ピリドキサールリン酸が、細胞内で遺伝子発現を調節する因子として働いていることがわかってきました。
核内のステロイドホルモン受容体においては、遺伝子の転写活性を制御し、性ホルモンなどの作用を調節することなどが指摘されています。
ビタミンB6は、タンパク質の代謝(合成や分解)を助けるビタミンとして知られています。
神経の伝達物質の生成にも関与。
皮膚や粘膜、髪の毛などを健康に保つ働きもしています。
ビタミンB6が不足すると、口内炎や口角炎、肌荒れ、湿疹、手足のしびれ、こむら返りなとさまざまな症状が起きることがわかっています。
さらに、ビタミンB6を葉酸やビタミンB12とともに摂取することで、動脈硬化の原因物質ホモシステインの増加が抑えられることがわかりました。
月経前症候群やつわりなどを緩和する効果があることも、知られるようになりました。
ビタミンB6が不足しているときには、ビタミンB1やビタミンB2など、他のビタミンB群も不足していることが多いもの。
サプリメントを選ぶときには、マルチビタミンや「ビタミンB群」「ビタミンBコンプレックス」などとして販売されているものを手がかりに選ぶとよいでしょう。
ビタミンB6は水溶性ビタミンでも上限がある
ビタミンB6の推奨量は男性1.4mg、女性1.2mg(いずれも18~69歳)。
上限は男女とも以下の表をご覧ください。
ビタミンB6の食事摂取基準(mg/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
15~17(歳) | 1.5 | 50 | 1.3 | 45 |
18~29(歳) | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
30~49(歳) | 1.4 | 60 | 1.2 | 45 |
50~69(歳) | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要より一部引用:(PDF)
脂溶性ではないので体内に蓄積することはありませんが、一度に大量に摂取すると、けいれんや手足のしびれ、痛みなどの末梢神経障害を起こすことがあります。
不足したときの症状と重複するようですが、不足してもダメ、摂りすぎてもダメ、適量に、ということなのでしょう。
ビタミンB6はまた、薬剤との相互作用についても注意が必要です。
アミノフィリンやテオフィリンといった気管支拡張薬、結核治療薬のイソニアジド、経口避妊薬など。
これらの服用・使用が長期間に及ぶと、ビタミンB6の血中濃度が低下することが知られています。
ビタミンB6は腸内細菌によっても合成されるため、下痢が続いたり、抗生物質を長く服用したりしても、不足することが考えられます。
ビタミンB6を多く含む食品
(0.5mg/10g以上)
食品名 | ビタミンB6含有量 |
---|---|
にんにく(りん茎) | 1.68 |
ぎんなん(生) | 1.63 |
ピスタチオ(いり味付け) | 1.22 |
ひまわりの種(いり味付け) | 1.18 |
みなみまぐろ(赤身) | 1.08 |
にわとりむね(皮なし、若鶏) | 1.06 |
みなみまぐろ(脂身) | 1.00 |
あまのり(干しのり) | 0.94 |
牛肝臓 | 0.89 |
かつお(生) | 0.87 |
きはだまぐろ(生) | 0.87 |
ほんまぐろ(赤身) | 0.85 |
ほんまぐろ(脂身) | 0.82 |
うるめいわし丸干し | 0.69 |
テラピア(生) | 0.67 |
にわとり肝臓 | 0.65 |
しろざけ(生) | 0.64 |
ひよこまめ(全粒、乾) | 0.63 |
ごま(乾) | 0.60 |
大豆(中国産、全粒、乾) | 0.59 |
きな粉 | 0.58 |
かたくちいわし(生) | 0.58 |
さば(生) | 0.57 |
さんま(生) | 0.57 |
豚肝臓 | 0.57 |
ほんます(生) | 0.55 |
そうだかつお(生) | 0.54 |
まだい(養殖、生) | 0.54 |
ふぐ(生) | 0.54 |
大豆(国産、全粒、乾) | 0.53 |
りょくとう(全粒、乾) | 0.52 |
ぎんざけ(生) | 0.52 |
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