赤ワインに多く含まれるポリフェノールの効果効能

赤ワインに多く含まれるポリフェノールの効果効能

動脈硬化はLDLコレステロールの悪玉化がきっかけとなり、徐々に広がっていきます。

赤ワインに多く含まれるポリフェノールには、LDLコレステロールの酸化を抑制する働きがあり、動脈に直接作用して拡張し、血流をよくしたり、血栓を溶解する作用も確認されています。
ポリフェノールには高脂血症の改善効果もあることが明らかにされてきました。
赤ワインの効果的な飲み方は毎日ワイングラスに1~2杯飲むというものです。

ビタミンCビタミンE、ベータカロチンなどの抗酸化物質を合わせてバランスよく摂取すると、効果は倍増すると考えられています。

赤ワインを飲めない人は緑茶、ココアなどほかのポリフェノールを多く含む飲料で代替することもできます。
また、赤ワインの心臓病予防効果は赤ワインに含まれているポリフェノールの抗酸化作用によるものと認められました。

ポリフェノールは植物の光合成でつくられる糖分の一部が変化してできる化合物です。
植物では果実や花、茎に多く含まれており、現在わかっているだけで十数種があります。

ブドウでは果実の表皮にレスベラトロールと、赤い色素のもとになっているアントシアニジンが大量に含まれています。
種子や果実がついている小さな枝にはカテキンやタンニンが含まれています。

赤ワインは果肉だけでなく、表皮や種なども一緒に混ぜて醸造しますが、白ワインは表皮を除いた果肉のみを使うので、ポリフェノールの量は赤ワインの10分の1ほどです。

ポリフェノールの抗酸化作用

ポリフェノールの抗酸化作用抗酸化作用とは酸化を阻止する力をいいます。

酸化とは酸素の働きかけで起こる化学反応のことで、金属がさびたり、皮をむいたリンゴの果肉をしばらく放置しておくと茶色になったり、肉や魚が腐ったりする現象も酸化現象です。

私たちのからだも生命活動を営むうえで大量の酸素を消費しますが、体内でも、いわば同じような腐食現象が起こっていることが近年の研究で明らかにされています。

体内での酸化作用で代謝などの活動が妨げられたり、細胞膜が傷つけられたりすることが、老化や生活習慣病(成人病)につながるということもわかってきました。

酸化作用を防止することは老化や生活習慣病の予防となります。

この酸化を妨げる物質を抗酸化物質といいます。
私たちの体内で作用する抗酸化物質としてはビタミンCビタミンE、ベータカロチンが知られています。

ビタミンCは水に溶ける水溶性で、ビタミンEやベータカロチンは脂肪に溶ける脂溶性です。

私たちの体内では、水溶性の物質と脂溶性の物質の双方の連携で抗酸化作用は増大するとみられています。

ポリフェノールはビタミンCと同じ水溶性ですが、非常に強力な抗酸化作用があり、心臓病や脳梗塞などの原因となる動脈硬化を抑制する働きがあることがわかっています。

赤ワインに多く含まれるポリフェノールの動脈硬化抑制効果

赤ワインに多く含まれるポリフェノールの動脈硬化抑制効果

赤ワインの動脈硬化抑制効果については、抗酸化作用以外の働きも明らかにされつつあります。
ポリフェノールには動脈内壁に直接作用して血管を拡張して血流をスムーズにする働きもあるという説も出てきました。
動脈硬化によって傷ついた血管内壁は血小板の凝集によって修復されますが、過度に行われると動脈硬化を促進する原因となります。
ポリフェノールにはその抑制作用もあることが動物実験で明らかにされました。

赤ワインは血中のもう一つの悪玉といわれるLDLの周辺に結合した脂質の粒子のLp(a)を減少させ、動脈硬化を起こしにくくする働きがあるという論文も発表されています。

動脈硬化の三大危険因子は高脂血症、高血圧、喫煙といわれています。
高脂血症のなかには、食後高脂血症とよばれる食後に血中の中性脂肪濃度が高くなる病態があることが専門家の間では知られています。

ラットを使った実験では、赤ワインは血中の中性脂肪値を42%も低下させたという報告もあります。
さらに赤ワインには腸からの脂肪の吸収を抑える働きがあることもわかってきました。

フレンチ・パラドックスは、赤ワインのこうした作用によるものであることは、ほぼ間違いないといえるでしょう。

動脈硬化はなぜ起きるのか

動脈硬化はなぜ起きるのか心臓の冠動脈に動脈硬化が起きると狭心症や心筋梗塞などの心臓病になり、脳で起こると脳梗塞になります。

一般には血管壁にコレステロールが沈着して血流が極端に悪くなったり、血栓をつくったりすることで発症すると理解されています。

コレステロールは血管壁に沈着するLDL(低比重リポ蛋白)と、LDLコレステロールをはがして処理するHDL(高比重リポ蛋白)などの粒子となって血液に浮かんでいます。
前者を悪玉コレステロール、後者を善玉コレステロールということもあります。

ここまでは広く知られていることで、食事性コレステロールを下げたり、コレステロールを減らす有酸素運動などの健康法が提唱されました。

しかし、動脈硬化の発症と進展のメカニズムはそれほど単純ではないことが、徐々に明らかになってきました。

コレステロールは胆汁や細胞膜をつくる原料となり人体にとっては不可欠なものです。
確かに過剰になると動脈硬化の誘発国子になりますが、LDLコレステロール単体では悪玉にはなりえないのです。

私たちの体内には侵入してきたウイルスや細菌を攻撃する活性酸素があります。

活性酸素には強い酸化力があり、通常は免疫システムの一環として機能していますが、喫煙、激しい運動、強いストレスなどで活性酸素は過剰になります。

血管内壁にもぐり込んだコレステロールが活性酸素によって酸化され私たちのからだにとっては異物となり、白血球の一種であるマクロファージによって処理されます。

マクロファージは、大食細胞という別称のとおり異物を旺盛に食べで処理するのですが、酸化されたLDLコレステロールがあまりにも多いと食べすぎで死滅します。

その残骸が血管壁を盛り上げ、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化の直接の原因は、LDLコレステロールではなく、活性酸素によって酸化されたLDLコレステロールだということがわかってきました。

動脈硬化の危険因子

欧米や日本などの先進工業国では動脈硬化がもとになっている心臓病や脳梗塞が死因の上位を占めます。
動脈硬化の原因はいくつもあり、自分の意志でリスクを軽減できるものとできないものとがあります。

例えば低脂肪食やバランスのよい食事を心がければ、リスクの10%は軽減できるといわれています。

赤ワインの適度の常飲も、リスク軽減の一つの選択肢にはなります。

そのほか、禁煙や運動不足はすぐにでも取り組める課題です。
肥満やストレスの解消を努力目標として、リスクファクターを一つ一つ軽減していけば、動脈硬化の発症や進行の阻止につながります。

赤ワインに多く含まれるポリフェノールのがん抑制効果や認知症予防効果

赤ワインに多く含まれるポリフェノールのがん抑制効果や認知症予防効果

赤ワインは肉、白ワインは魚というのが、料理の基本とされています。
肉類を多くとると、体内の血液が酸性に傾くのを防ぐために、アルカリ飲料の赤ワインがよいとされてきました。
しかし、赤ワインの効果は、それだけではありません。

97年、アメリカの科学雑誌に載ったある論文が大きな話題をよびました。
赤ワインに含まれるレスベラトロールというポリフェノールが、ラットの白血病および皮膚がんを大幅に抑制し、しかも発がんとがん細胞の増殖抑制の両方に効果がみられたというのです。

特に皮膚がんについては、レスベラトロールを与えたラットでは、ほとんど増殖しなかったのです。
この結果に自信を得た研究グループは、レスベラトロールをビタミン剤に添加したがん予防薬の開発を提唱しています。

今後、人を使った実験で追試されて同じ結果が確認されると、がんの特効薬開発への一つの道が開かれる可能性もあるかもしれません。

ワインの飲酒量と老年性認知症との関係について調査したデータもフランスで発表されています。

このデータはボルドー地区の老人ホームに入所している65歳以上の人3,377名を対象に調べたものです。

それによると赤ワインを毎日グラスで3~4杯飲んでいる人は、まったく飲まない人に比べてアルツハイマー型認知症の発症率が4分の1でした。
アルツハイマー型認知症を含むすべての認知症について調べると、さらに低くなり5分の1という結果でした。

確かに脳の動脈硬化によって起こる認知症については、赤ワインの予防効果は大いに考えられるところです。

しかし、アルツハイマー型の予防効果については、疑問符が投げかけられています。
アルツハイマー型認知症の人はアポたんぱくEのタイプ4の遺伝子を80~90%の確率でもっており、その分布は100人中9人といわれています。

確率的には先の疫学調査の対象となった3,377名のなかには約300名が含まれていることになります。

そのハイリスクグループをワインを常飲している群と、まったく飲まない群とに配分しなければ公正なデータは出ないという疑問です。
しかし、調査結果が全面的に否定されたわけではありません。

赤ワインは薬の一種

赤ワインは薬の一種薬剤師の処方する薬のすべてについて厚生省の基準を記載した「日本薬局方」には「ブドウ酒」も含まれているので、ワインも薬の一種といえます。

ただし、日本薬局方のブドウ酒は添加物の含まれていない天然アルコールのみということになっています。

処方のワインの効果効能としては食欲増進、強壮、興奮、下痢のときに1さじか杯1杯を服用するとよいとされ、不眠症の治療や無塩食療法にも効果があるといわれています。

また、赤ワインは、末期がんの鎮静剤の調合に使われることもあります。