仕事中毒は心の病気の引き金

仕事中毒は心の病気の引き金

 

 

仕事中毒・仕事依存症(ワーカホリック)は、慢性的な疲労と心身のストレスを伴います。

 

 

先にもあげたように、どちらかというと、行動的で攻撃的な人に、神経症として現れやすいといえます。

 

しかも、このタイプの人がグループを引っ張っていくと、周囲の人々を疲れやすくさせるともいえます。仕事中毒は、狭い意味では意欲的で攻撃的、自信にあふれた人に起こることが多いのですが、仕事仲間を引っ張っていこうと無理を重ねた結果、人によってはうつ病になってしまうこともあります。

 

仕事中毒を広義に考えれば、休日神経症、帰宅恐怖症候群、燃え尽き症候群など、病態はさまざまです。軽症うつ病と症状が重なる点も多いので、専門医による鑑別診断は欠かせません。

 

 

■朝刊シンドローム

これといった病気もないのに、朝起きるとからだがだるく、何もする気がしないビジネスマンが増えています。ビジネスマンの朝の習慣ともいえる朝刊すら読まなくなることから、こうした倦怠感を伴ったストレス症状を朝刊シンドロームとよんでいます。

 

朝刊シンドロームは症状が朝に現れるのが特徴で、出社してからは次第に気力を回復し、帰宅するころにはすっかり調子が戻るケースが多いのですが、なかには会社を欠勤しがちで、出社拒否につながるケースもみられます。

 

■帰宅恐怖症候群

一方、仕事が終わっても家庭がこわくて帰りたくないという病理現象を帰宅恐怖症候群とよんでいます。

 

憩いの場であるべき家庭で、妻に「粗大ゴミ」扱いされたり、受験勉強に忙しい子どもに無視された結果、帰宅するのがこわくなり、カプセルホテルなどを泊まり歩いてしまうというものです。

 

■休日神経症

せっかくの休日を迎えても、イライラしてゆっくり休むことができないのが、休日神経症です。

 

2日間の連休すらもて余してしまい、2日目になると会社や仕事のことが気になって家中をうろうろと歩きまわったり、家族に八つ当たりしたりします。症状が進むと、休日にうつ状態になる週末うつ病や、酒びたりになる仮性アルコール中毒、食べすぎてしまう週末過食症などがみられるようになります。

 

■燃え尽き症候群

機械のモーターが焼き切れるように、身も心も消耗してしまう状態を燃え尽き症候群といいます。

 

アメリカの精神科医フルーデンバーガーがつくった言葉で、慢性過労が原因で生じる心身症状の一つといえます。当初は看護師など医療従事者や教育関係者など専門職の人々にみられる症状として注目されましたが、その後は仕事中毒のビジネスマンに顕著な症状として、広く知られるようになりました。

 

残業や夜勤などによってからだの疲労と心の枯渇が重なり、体重の減少や不眠、息切れ、イライラなどの症状が慢性的に続くのが特徴で、ひどい場合は仕事が手につかなくなり過労死にもつながります。

 

■上昇停止症候群

出世街道を走っていたビジネスマンがコースをはずれたショックから立ち直れず急速に仕事に対する意欲を失い、無力感におそわれるのが、上昇停止症候群とよばれる症状です。

 

仕事中毒のタイプのなかでも、負けずぎらいで上昇志向の強い人にみられます。特に仕事以外に趣味がなく、挫折の経験がない人ほど受けるストレスは大きくなります。一度無気力になると、再び上昇しようという意欲も気力もわかずに、出社拒否に至ることもあります。

 

会社のシステムが実力主義にシフトするなかで、さらに増えることが予想されています。

 

■退職うつ病

仕事中毒のライフスタイルがすっかり習慣化した人が、定年退職後にうつ病の症状を示すのが、退職うつ病です。

 

あくせく働いていたのが、うって変わって「毎日が日曜日」になってしまうために、精神的なバランスを崩して家に閉じこもりきりになってしまいます。

 

自分の人生設計を仕事という面からのみとらえ、会社での自己実現だけに没頭した結果といえるでしょう。

 

 

 

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